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雨季のオーストラリアをHuercoと旅する。 後編:ノーザンテリトリー準州


2018年7月13日
雨季のオーストラリアをHuercoと旅する。 後編:ノーザンテリトリー準州

こんにちは。Huercoアンバサダーの長嶋祐成です。Huercoとともに巡るオーストラリアの水辺、後編です。
前編はこちら「雨季のオーストラリアをHuercoと旅する。 前編:クイーンズランド州」。

旅の前半、クイーンズランドで出会った魚たちは石垣島でもおなじみの顔ぶれ。旅のテーマである「海流を感じる」ことでは少し物足りなさも感じつつ、ノーザンテリトリー準州へと移動しました。

目にも鮮やかな湿地帯

州都ダーウィンに到着。クイーンズランドでは「釣り禁止」に阻まれた教訓から、今度はまず街の釣具屋さんで禁止エリアを訊ねてみました。僕の拙い英語にも親切で、ポイントマップをサービスしてくれた上に、ヌカカに食われまくった僕たちを見て「この薬を薬局で買いなさい」とメモまで渡してくれました。
ダーウィン近郊には豊かなマングローブが広がっており、Googleの航空写真を見ているだけでワクワクしてきます。しかし、広大な湿地帯であるがゆえにアクセス可能なポイントは限られており、事前に目星をつけていたところはいずれも釣具屋さんのマップにすでに掲載されていました。結果、どこへ行っても釣り人がたくさん!あまり釣れている雰囲気はないのですが、みな大きなルアーでバラマンディを狙っているようです。

ダーウィン近郊では釣果のないまま、海を離れて内陸方面のカカドゥに向かいます。雨季のその季節、200キロに及ぶハイウェイの両側はただひたすら緑と赤土の大地に満々と水が湛えられ、美しい湿地続き。準州政府のウェブサイトで道路状況を確認し、普通車でも大丈夫そうだということで踏み出しましたが、ときおりすれ違う車は土埃をまとった無骨な4WDばかり。無舗装の脇道は多くが完全に水没して通行不可になっていました。

ハイウェイ脇にこんな湿地が広がる
ハイウェイ脇にこんな湿地が広がる
スイレンの類の美しい水中葉
スイレンの類の美しい水中葉
完全に水没した脇道
完全に水没した脇道

途中、水鳥が集まって水面を見つめているクリークを発見。近寄ってみると、無数の小魚がけたたましく波紋を立てています。小さなワームを投げ入れてみますが、反応なし。そうこうしていると、2人のオージーがやってきて投網を始めました。これ幸いと魚を見せてもらうと、10センチほどのイセゴイの幼魚。バラマンディ釣りの餌にするとのことでした。ちなみにこのクリーク、Googleストリートビューでは見渡す限りの原っぱ。乾季には完全に干上がるようです。

無数にあるクリークや水たまりで小物狙いのルアーを投げてみるのですが、バイト散発するもヒットなし。ここまであらゆる場所が水に満たされていると、どこに魚が潜んでいるのか狙いが定まりません。苦戦続きで釣果のないまま、予定していた折り返し地点のイエローウォーターにまで辿り着きました。釣れることはないだろうからせめて食べるだけでも…と、夕飯はバラマンディのソテーにしました。

思いもよらない最高の結末が…!

翌日、またところどころで車を停めながら再びダーウィンへと引き返します。
すると、とある路側の水たまりで…

見たことない魚だ!
見たことない魚だ!
道路脇のこんな水たまり
道路脇のこんな水たまり

ブルブルというアタリに続いて、丸々と肥った可愛らしい魚があがりました。ついに、初めて見る魚です。twitterでHuercoの中西さんから「スパングルドパーチ」と教えていただきました。

旅の最終盤でようやく出会えた初見の魚に一気にテンションが上がり、同じ場所でさらにルアーを流してみると、今度はひったくるような激しいアタリに続いて30センチほどの細長い魚体が水面から飛び上がりました。

まさかまさかの!
まさかまさかの!
目の輝きが美しい
目の輝きが美しい

まさかのバラマンディ!
思いがけない出会いに手は震え、声は上ずりつつも、舐めるように眺めて写真撮影。オレンジ色に輝く目と、一瞬だけ浮かび上がったアカメのような額の模様、それに肩が盛り上がって尾柄が太いアンバランスな体型が素晴らしく魅力的でした。

かくして、最高の結末をもってオーストラリアの旅は終了。テーマの通り、海のつながりも、隔ても感じることができました。

最後になりましたが、全行程を通じて快適な使い心地で釣りを楽しませてくれたHuercoについてひとこと。XT511-5S、すごく繊細!なのでルアーを動かしやすいし、反応もダイレクトに手に伝わってくる。それでいてコシとハリがあってパワーを秘めているので、軽いルアーでもすごくよく飛ぶし、引きの強い魚でも不安なく楽しめます。そして恥ずかしながら僕はこれまで頻繁なライントラブルに悩まされていたのですが、Huercoと出会ってそれが劇的に解消されました。竿を振る力が的確にルアーに伝わることと、ガイドの設計がよいことで無駄な糸フケが出ないようなのです。結果、釣りの楽しみが2段階も3段階もアップしました。

こんな竿がコンパクトにまとまってリュックやスーツケースに収まってくれるわけですから、どこへ旅するときも心置きなく水辺を巡る楽しみを追求できます。これから、長い付き合いになりそうです。

長嶋祐成

長嶋祐成魚譜画家/Huerco official Ambassador

Official Site

石垣島在住。魚譜画家(ぎょふがか)。大学では思想、服飾専門学校ではクリエイティブを学び、広告とコミュニケーションの世界で7年間のディレクター経験を経て、現在は魚の絵を描くこと・魚との出会いを求めて水辺を旅する時間のために生きる。釣果や大きさだけに捉われない独特の目線で釣りを楽しむ。