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「色違いのキンギョ」に出会う旅


2019年4月9日
「色違いのキンギョ」に出会う旅

こんにちは。Huercoアンバサダーの長嶋祐成です。

突然ですが、みなさんは「色違い」の何かに心を躍らせたことがあるでしょうか。

僕は「色違い」が大好きなのです。より正確に言えば、「色違いに出会う瞬間」のワクワクが大好きなのです。ドラクエをしたことがある方なら、初めて色違いのスライムが現れた瞬間の「おっ!」という気持ち、と言えば伝わりやすいでしょうか。

このワクワクの正体はおそらく、「知らない世界に出会う衝撃」と、その知らない世界が「知ってる世界と地続きであることを知る衝撃」のミックスだと思うのです。
まったく知らないものに出会う衝撃は大きなものですが、「これは自分の知ってる世界とは別のものだ」とあっさり片付けてしまいがちです。ところがそこに適度な「知ってる感」が伴うと、−−たとえばそれが「色違い」だったりすると−−、それが確かに自分の知っている世界の延長上にあることを実感できます。自分の世界の広がりを、リアリティとともに感じることができるのです。

それをはっきりと感じさせてくれる魚がいます。
キンギョ……と言っても、金魚すくいでおなじみのあの金魚ではありません。一部の釣り人にキンギョと呼ばれている、ネンブツダイです。
このネンブツダイの仲間である「テンジクダイ科」の魚たちは、とてもバリエーション豊か。特に南に行くにつれ、多様な「色違い」たちが世界の広さを感じさせてくれます。

まずはもっともポピュラーなネンブツダイ。本州北部から九州まで広く分布しています。本州中部以南はこれにクロホシイシモチが混ざります。まさにネンブツダイの色違いのような魚です。

南へ下ると増えてくるオオスジイシモチ。名前からして弟分のコスジイシモチ。

さらに、南西諸島に入ると多くなるスジイシモチ。ミスジテンジクダイも同じような場所で見られます。

僕の住んでいる石垣島でよく見られるヒラテンジクダイ。どんどん色が派手になってきます。そしてよく似たカラーリングのミナミフトスジイシモチ。

ベトナムではこんな魚にも出会いました。美しい黄色のスポッテッドギルカーディナルフィッシュ。カビテカーディナルフィッシュは魚市場の漁労くずの中に見つけました。

他にもまだまだ、多種多様なテンジクダイ科の魚たちが各地の海に暮らしています。この「色違いのキンギョ」たちが、知らない土地や海も、確かに自分の世界と地続きなのだと教えてくれるのです。

テンジクダイ科の魚たち
テンジクダイ科の魚たち

釣りが目的の旅でなくとも、たとえばご家族旅行やお仕事の出張などでも、もし海の近くに宿を取る幸運があれば、ぜひこの仲間を狙って釣りをしてみてください。
写真をご覧いただいてお気づきかもしれませんが、この仲間の多くは夜行性。夜の港で、小さなワームや餌によく反応します。夜や未明の少しの時間で遊ぶことができますし、日中ならば消波ブロックや石積などの暗がりを狙えば釣れます。

北日本にお住いの方には少し縁遠い話かもしれません。でも北日本には「ソイ・メバル」の仲間がいます。いわゆるロックフィッシュの仲間で、これもテンジクダイたちと同じく様々な色違いがおり、港で身近に狙える魚たちです。

メバル属の魚たち
メバル属の魚たち

この楽しみに必要な準備は、旅支度にパックロッドを忍ばせておくだけ!小さな魚たちですから、XT511-5SかVRシリーズがぴったりでしょう。
みなさんもぜひ、旅先で「色違いの〇〇」に出会って、世界の広がりを実感してみてください。

長嶋祐成

長嶋祐成魚譜画家/Huerco official Ambassador

Official Site

石垣島在住。魚譜画家(ぎょふがか)。大学では思想、服飾専門学校ではクリエイティブを学び、広告とコミュニケーションの世界で7年間のディレクター経験を経て、現在は魚の絵を描くこと・魚との出会いを求めて水辺を旅する時間のために生きる。釣果や大きさだけに捉われない独特の目線で釣りを楽しむ。