アウトドアと釣りをテーマに、Huercoのアイテムとともに国内外を旅する企画「Huerco旅行記」。今回はアジアの中でも人気の滞在先であるマレーシアを訪れた。旅の後半はクアラルンプールからマレー半島北部へむかった。
マレーシアの食はマレー料理、中華料理、インド料理と他民族国家ならではのバラエティーに富む。
わたしはお酒は強くはないが好きなほうで夏はもちろん、「とりあえずビール」派。旅行先では地ビール、海外ビールも楽しみにしている。東南アジアでポピュラーなタイガービール(シンガポールのビール)はピリ辛の料理によくあう。中華系の食堂ではたいてい置いている。移動でつかれた夜はこれをほどほどに流し込み、あしたにそなえてさっと寝るだけだ。
早朝、日が昇る前に起きだして釣りに出かけるまえの腹ごしらえ。4、5種類の色の違う麺と、はんぺんや、魚肉ソーセージのようなだんご、平天のような練り物などから具材を自分で選ぶスタイルの中華系屋台だ(以前に台湾でも似たシステムの店があった)。麺は黄色い卵麺っぽいのをチョイスしてみた。ほかにも白い饂飩ぽい麺やほそい春雨みたいな麺などがあった。小皿には唐辛子の利いた醤油がついてくるが、これをあっさりしたスープに少量まぜて食すのがアクセントが効いていい。
レッドホットアングラーズのオーナーであり、向田さんの古くからの友人であるサム。現在、当社ブランドHuercoの東南アジア代理店でもあり、今回の旅の後半のナビゲーター。アウトドアが好きでマレーシアの釣りに精通し、ショップ経営のかたわらフィッシングガイドもおこなっている。
天井にカヌーとカヤックをのせ、マレーシアの代表的なルアーフィッシングの対象魚、トーマンやハロワン(日本でいう雷魚のなかま)が釣れるという池へ。クアラルンプールより北へ車で約2時間、ペラ州に多く存在するスズの採掘跡にできたため池郡である。ヤシ農園のわきに池が点々とあるのだが、林の間をぬって縦横に道がとおっていて、ひとりで来たら絶対に迷子になる自信がある。
この魚は東南アジアの代表的な魚ですこしの水たまりのようなところにでも住んでいる。食用として重宝されていて、現地の人は釣ってもって帰り、フライなどで食べることが多い。レストランでもポピュラーなメニューで実際に食べてみると、白身にスパイスなどで味付けされており、クセがなくおいしい。
マレーシアでは趣味としてのルアーフィッシングも盛んだが、たべるために釣るという昔ながらのスタイルでの釣りも根強い。岸から竿をだしていた地元のお父さんも持ち帰るといっていた。ただ岸釣りはキングコブラなどもごくたまに出るようなのでご用心。
常夏の国ならではの気候と自然、生き物と人々のくらし。経済や、都市化という意味ではこれからも環境が変化してゆく国ではあると思うが、まったりとした南国時間はいつまでも続いていきそうな気がする。
旅行、温泉、ご当地グルメ愛好家。美味しいお酒と釣りをこよなく愛し、パックロッド片手に国内外の山・海・街をさすらう。得意分野は酒のツマミになる魚(肴)釣り。Huerco(ルーデンスフィールド)代表、ロッド監修。