子供のまま大人になってしまったとよく言われる僕でなくとも、男の子なら誰でも、いやきっと女の子でも「秘密基地」という響きにワクワクした経験があるはず。ちょっと狭くて少し不自由で、だけど仲間とそこにいるだけで胸が高鳴るようなあの感じを最近味わう機会があったのでご紹介したいと思います。
先日、雪の降りしきる秋田県は十和田湖に遠征してきました。
結果を先にお伝えすると魚は釣れなかったのですが、それでもとても楽しい旅でした。いつもの運転、いつもの車中泊、いつもの旅がちょっと特別になった感じ。気の合う仲間との旅だったのはもちろんですが、きっと車のおかげだと思います。軽トラをベースにして居住空間を持たせた、謂わばミニキャンピングカーであるTravel House(トラベルハウス)で旅をした感想は「いちいち楽しい。」の一言に尽きます。
過去にキャンピングカーを借りたり、乗せてもらったことはありましたが、北海道のような広大な土地を長期間旅をするとかでない限り、結局お風呂は銭湯だったり、トイレはコンビニで済ましてしまったりなので、その居住性を活かしきれていないような気がしていました。
それに比べてTravel Houseは小回りも効くし、不必要な部分を削いだ、ある意味「泊まれる箱が乗っかっているだけの車」なので、気軽に旅ができるし、通常の車中泊に比べてきちんと睡眠の取れるフラットなスペースを確保できるのでとても快適でした。
12月1日から2月いっぱい、冬のサクラマスの解禁という珍しい期間に釣ることができる十和田湖。秋のヒメマスはあまりにも有名ですが、この冬サクラというのが何とも魅力的だったのと、どうせ冬なんだから思いっきり冬を楽しみたかったので、思い切って秋田まで車を走らせたのでした。
それにしても情報の少ない冬の十和田湖。雪も降っていたせいか、他の釣り人に会うこともなく、とにかく手探り。普段中禅寺湖で活躍するスライドスプーンも駆使しながらキャストを繰り返しましたが、反応の無さと寒さに撃沈。
ちなみにサクラマスとは、通常ヤマメという渓流などに棲んでいる魚が一度海へと降り、数年の回遊を経てまた川へ戻ってくる、ヤマメの「降海型(こうかいがた)」を意味します。十和田湖のサクラマスの場合は、湖で回遊をし一生を淡水で過ごす湖沼型(こしょうがた)で、ランドロックとも呼ばれます。どうして海に降りてないのにサクラマスになれるんだろう?魚って不思議。
夜はマイナス5℃になる日もあった十和田湖ですが、寒冷地用の寝袋のおかげで快適に過ごすことができ、湖畔で淹れるコーヒーと雪の中で食べるインスタントヌードルは格別でした(笑)それに写真を撮ったり撮られたりの旅は、やっぱり「遠くへ行く」っていう要素がとても大切なことも再確認。季節を釣るには、季節を旅する必要があって、そのためにこの車での旅はもってこいだったし、荷物をコンパクトにしたい遠征には、車であってもパックロッドの必要性・可能性はまだまだあります。
この走る秘密基地は十和田湖のような遠征でなくてももちろん活躍します。最近で言えば秋のシーバスを追って房総を走り回った時が記憶に新しいです。この時の模様は来月発売のシーバスライフに掲載予定なので、是非そちらをご覧いただけると嬉しいです。
さて、新年になるともうあっという間にフエルコカフェのシーズンがやってきます。 僕の中では1年で一番大きなファンイベントであり、今年も漕ぎ着けた、来年も頑張ろうと思える大事なエキシビジョン。2020年はこのTravel Houseにご協力いただき、「HuerCaravan」しながらフエルコカフェを開催する大阪に旅してみたり、車を展示したりもする予定ですので、そちらの方もお楽しみに。
協力 : Travel House