自転車で釣りというと、子供のころ友達と竿をかついで、いわゆる「ママチャリ」で釣り場までいったことを思い出します。
ママチャリはいつしか「マウンテンバイク」や「クロスバイク」と形はかえつつも、近所の池や川には自転車でふらっと行くという、釣りとは関わりの深い原体験があります。
自転車と釣りって、とても相性がいいんですよね。ぱっと場所をかえたり駐車場に困らなかったり。好きな場所へサッと行ける機動力がある。さらに仕舞が短くなるパックロッドなら、リュックに収納できたりして、さらに便利ですね。安全ですし。
そんなわけで今回は「自転車×釣り」というテーマで、風を感じながらはしる楽しさと、あわよくば土地のグルメもぞんぶんに楽しもうではないか、という欲張りな計画をたてました。
民宿1泊2日の2食付とかめっちゃいいんじゃないですかぁ?(笑)。
そこで選ばれた舞台は広島県と愛媛県を島々がつなぐ「しまなみ海道」。
サイクリングコースとしてとても有名で、私も車では通ったことがありましたが自転車では初めてです。 フエルコのコンセプトは「アウトドアや様々なジャンルと融合して新しい体験を提供する云々…」ということで、今回はそれを地でゆくような、サイクリング×フィッシングの旅をご紹介したいと思います。
今回のしまなみ街道サイクリングのスタートはJR尾道駅から。
大阪から電車で尾道まで約2時間。リュック1個に最低限の着替え、釣具一式を入れて。もちろんロッドはパックロッドです。とても身軽でいけるので、マイ自転車での輪行もやってみたいなと思いました(持っていませんが)。
駅前のレンタサイクルを利用しました。
1台1日1,100円(保証料1,100円)で貸りることができます。ヘルメットは無料で貸してくれます。かっこいいヘルメットがいい!という人は持参してくださいね。
申し込み用紙を松井さんに書かせ…書いてもらっている間に僕はヘルメットを選んでました。
レンタルサイクルは人気があるのでシーズン中は予約しておくのが無難。数日前までに申し込む必要が有ります。
ずらっと並んだレンタルサイクルから松井さんはオレンジの自転車、自分は青の「NAGI凪」をチョイス。選ぶときは気にしなかったのですが、サドルが若干大きくてやわらかいママチャリタイプと、細くて固いロードタイプのがあって、「NAGI凪」はロードタイプでした。これが尻へのダメージに大きく影響することがのちに判明…。
尾道からだと「向島」「生口島」「大三島」「伯方島」「大島」の順に島をわたって今治へ入ります。今回は全部渡りきらず、伯方の塩で有名な「伯方島」で宿をとってゆっくり散策する1泊2日コース。帰りは途中でフェリーの利用とかもできます。
自転車をかりてフェリーを待つまでの間にルートをチェック。「へー。まあまあ距離ありますね~(汗)」。伯方島までは約40kmの距離。
1日でそんなにチャリこいだことは私はもちろんありません。むろんこのときから尻の皮が心配でなりませんでした。(後に不安が的中するわけですが。)
今回、じつはつり人社より今月発売のMOBILE FISHING PEEPSというムックの取材も兼ねていて、しまなみサイクリング経験も体力も豊富な岡村さんと、自転車好きで過去3台も所持していたこともあったそうな御守さんにも撮影をご協力いただきました。4人のうち酒好きが3人…この後どうなるかは想像に難くありません(笑)。
向島ゆきのフェリーのりば。雰囲気あります。歩行者と二輪だけの渡船で尾道駅前すぐの場所にあります。学生さんや地元の人たちがたくさん利用していました。片道110円。
約5分で対岸の向島へ到着。わずかな時間ですが旅のスタートのワクワク感を盛り上げてくれます。
いざ出発~!
「快適やー。サイコー!」。颯爽と最初の一歩を漕ぎだす。あとにヒザと尻痛のロードとなるとはこのときはつゆ知らず。初日はとにかく漕ぐ!ということで、今日の目的地、伯方島をめざします。Let’s cycling!
景色はすぐに街中を抜けて海岸沿いへ。海、島、空のコントラストが素晴らしい。天気もよくて絶好のサイクリング日和でした。道路沿いには釣りをしてる地元のおっちゃんもちらほら。「どうですか~?」「全然あかんわ。」そんなやりとりもじつにのどかに感じられます。
そして「因島大橋」をわたって2つ目の島「因島」へ。島から島への橋をわたるとき、それぞれの橋への坂道を昇って降りるのですが、この昇りが正直かなりキツイ。いちおう変速付き自転車ではあるが、まともに昇れたのはこの最初の橋だけで、あとの坂道はずっと自転車押してました。
因島で一つ目の休憩ポイント「はっさく屋」に寄ってお茶休憩。すでに2つ目の昇り坂で体力ゲージは点滅しています。でも松井さんはさすが全然元気。「やっと来ましたね~」「のぼりがキツイ~」と言ったかどうだか覚えていませんが。ここまででスタート地点から約1時間が経過。
ここで食べられるのが因島名物の「はっさく大福」。
みずみずしいはっさくがごろっと大粒ではいっていて、できたてもっちもちの生地と、白あんとの絶妙のハーモニー。はっさくのほどよい甘酸っぱさが疲れを回復してくれます。これ本当におすすめ。一瞬で2個完食しました。1個200円。
お昼すぎに隣の生口島へ到着。はっさく大福のあとも、道路沿いのタコ天ぷらや、レモンケーキなど目に付くグルメはかたっぱしから食べ散らかしてきました。レトロな雰囲気のしおまち商店街。お土産屋さんには干物やノシイカなどが格安で並んでいました。
生口島は別名「レモン島」。名産の瀬戸田レモンは本当に美味しく、島内ではこれを使ったいろんなグルメを楽しめます。おすすめは道の駅で格安で売っているレモンを買って、大胆にしぼる!そしていいちこ焼酎を炭酸で割る「生しぼり瀬戸田レモンいいちこ」無限に飲んでしまいますよ、ホンマに(笑)。
通りすがりの漁港を下見。海草や小魚がたくさんで夜釣りとかめっちゃ釣れそうです。漁港であいさつをかわしたお父さんに「これ持っていき。」と安政柑をいただきました。これがまたすこぶる美味。
海岸線の景色を眺めながらのサイクリングロード。道路には自転車コースの目印として青いラインがずーっと引かれていて、この青ラインに沿っていけば迷わず目的地までたどり着けます。ほかにもすれ違う人たちは気持ちよく挨拶してくれるし、車はけっして自転車のじゃまにならないようによけてくれる等、とてもサイクリストに優しい。
生口島と大三島を結ぶ全長約1.5kmの多々羅大橋。この橋の途中に「鳴き龍」という不思議な体験ができます。面白いのでぜひ試してみてください。そしてそろそろ終盤にさしかってきました。もうすぐ目的地の伯方島。まあこのころになるとヒザはガクガク、尻は痛くて常に半立ち漕ぎ状態でしたね。尻の角度をビミョーにずらしてすわってみたり(笑)。念のため用意しておいたジェル入りのサドルカバーも装着していましたが…ほぼ意味はありませんでした。教訓はパット付のインナーパンツは必須!ということですね。
宿に到着してひとときの休憩タイム。ひとっ風呂を浴びたあとはお楽しみの夕ご飯です。
民宿「光藤」の新鮮な刺身、天ぷら、煮付け、フライ、などえぐいボリュームの魚料理。どれもが唸るほどのうまさ。生しぼりレモンいいちこがすすむ、すすむ(笑)。
夕食のあとは宿の目の前の漁港へ。
ようやくの釣りである(笑)。時期的にメバルがいいに違いないと読んでいたわれわれはライトゲーム用のプラグ、ワームなどで漁港内の常夜灯ポイントなどを探ってゆく。 明暗の境をルアーで通すと「ココンッ」と小気味良いあたりがあり、小型のめばるが釣れました。昼間に見たとおり藻場がおおく、魚影もすこぶる濃い印象でしたね。 飽きない程度につれ続きしばらく夢中でやってましたが、徐々に気温も下がってきて、先ほどの「生しぼりいいちこ」の味が忘れられなかった我々は、4人が自然と眼でうなずいて、宿へと戻っていったのであった。
ロッド : XT511-5S(仕舞42cm)、MG700-5S(仕舞49.9cm)、VR180-10(仕舞44cm)
リール : 1000~2000番スピニング
ライン : PE0.6-0.8、リーダー3-5lb
ルアー : アジ、メバル用ワーム、プラグ、ジグなど
CAP : Clef×Huerco コラボB.CAP
上記のロッド3機種は今回のような自転車での釣行(主に小物釣り)にかなり適しているとおもうのでチョイスした。
XT511-5Sは主にルアーのアジ、メバルなど小物釣りから30~40cmくらいのシーバスくらいは全く問題なく対応できるマルチタイプ。5本継ぎ、仕舞寸法42cmでリュックにも軽く収納できる。
MG700-5Sはより小さなルアー、対象魚までカバーする高感度タイプ。アジ、メバル用1g以下のルアーでも繊細な操作が可能、小型プラグなども大変扱いやすい。
VR180-10はテレスコピック(振出し)タイプの万能ロッド。ルアー、餌のちょい投げのキス釣り、サビキのイワシやアジ釣りなどジャンル問わず活躍します。実は1~2gルアーも全然キャスト可能です。上記以外にも豊富なラインナップから選べますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
スピニングモデル / 5pcs
コンパクトな5pcsライトスピニング 国内外における小型ルアーを用いたあらゆるライトゲームをカバーするXT511-5S。マルチピースロッドでありながら美しいベンドカーブが印象的なモデルです。 リトリーブ時やトゥイッチの際にはほんの少しティップが入り、巻き抵抗のあるヘビーシンキングミノーなどを使用する際にも、ティップからベリーセクションの張りを生かすことによってキレのあるアクションを生み出します。専用モデル…例えば、渓流トラウトや海のライトゲームモデル比べて、パワー感が比較的強めなのはXTシリーズのトラベルロッドとしての汎用性を高めた仕様です。イメージとしては30センチ程の魚を掛けた際に全体的に丁度良い曲がり具合になりますが、細い見た目に似合わず強靭なベリーからバットセクションまで、しっかりと曲げ込むことで、そこそこの大物も難なく浮かせてしまいます。テスト段階ではメーターを超えるソウギョなどをも楽に寄せてしまうパワーにスタッフも驚かされました。 また、取り回しを重視した5フィート11インチというレングス、クセのないレギュラーテーパーのため、カヤックやフローターからの釣りは勿論、キャスト時 ...続きを読む
スピニングモデル / 5pcs
マイクロソルトゲームのオールラウンダー チューブラートップで7フィートというレングスは取り回しがよく、バランスに優れることから幅広くのリグに対応します。ダウンショットからウルトラライトジグ、スモールプラグまでソツなくこなす、マイクロソルトゲームのオールラウンダーです。
スピニングモデル / 6pcs(振出)
小物釣りにも最適なコンパクト・テレスコピック VR180-10は餌釣りからルアーまで何でもこなせる万能振出し(テレスコピック)ロッドです。仕舞寸法44センチとリュックにも楽々収まるコンパクトさながら、伸ばせば全長180センチ(6フィート)と長すぎず扱いやすいサイズです。軽量で繊細な穂先(グラスソリッドティップ)は2g程度の軽量ルアーも投げることができ、餌釣りでも川・海問わず小物釣り全般に対応できます。
旅行、温泉、ご当地グルメ愛好家。美味しいお酒と釣りをこよなく愛し、パックロッド片手に国内外の山・海・街をさすらう。得意分野は酒のツマミになる魚(肴)釣り。Huerco(ルーデンスフィールド)代表、ロッド監修。